共通の表現ガイド
AIで作ったLP・ホームページを公開前に見直す12項目|小さなお店・事務所向け
この記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。
生成AIを使うと、LPやホームページの文章をすぐに下書きできます。ただ、そのまま公開すると、根拠のない「No.1」や、入力していない実績が残っていることがあります。公開前に見直したい12項目を、消費者庁などの公表資料をもとに整理します。
1〜6は広告の表現、7〜12は店舗情報・写真・表示などの実務の確認です。
結論(この記事の要約)
- AIが書いた文章でも、公開すればお店や事務所の表示として扱われると考えられます(筆者の解釈)
- 効果の断定、根拠のないNo.1、実績のない「通常価格」、効果の体験談、口コミの特典は、消すか言い換えます
- AIが補った実績・口コミ・資格・店舗情報は、一つずつ事実を確かめます
- モデル写真をスタッフやお客様として使わず、リンクとスマホでの表示も実際に確かめます
AIの下書きで起きやすいこと
よく見かける言い回しがそのまま出る
「地域No.1」「満足度98%」「今だけ」など、広告でよく見る言い回しが入ることがあります。お店の事実と合っているとは限りません。
実績・口コミ・資格・出典の作り話
入力していない施術件数、お客様の声、資格名、出典のURLや、推測で埋めた営業時間が書かれることがあります。
業種のルールや最近の改正が反映されない
たとえば厚生労働省は2025年2月18日のガイドラインで、国家資格のない人の施術について、痛みの症状などへの施術を広告に表現すべきでないとしました。食品のアレルギー表示の義務品目(特定原材料)には、2026年4月1日にカシューナッツが加わっています。
何が問題になるのか(根拠と公表日)
- 景品表示法は、内容を実際より著しく良く見せる表示(優良誤認)と、料金などの条件を著しく有利に見せる表示(有利誤認)を禁止しています
- 2023年10月1日から、広告であることを隠した表示(ステルスマーケティング)も景品表示法違反になりました
- 消費者庁のNo.1表示の報告書(2024年9月26日)は、多くの広告主が根拠の調査の中身を把握していなかったと指摘しています
公開前に見直す12項目
1. 効果を言い切っていない
効果をうたう表示は、合理的な根拠を示す資料を求められることがあり、出せなければ優良誤認とみなされます(不実証広告規制に関する指針、2003年10月28日、2016年4月1日一部改正)。
- 避けたい例:「どなたでも必ず効果を実感できます」
- 言い換えの例:「初回は40分のカウンセリングで、ご希望を伺います」のように、内容・時間・料金を書く
2. No.1・満足度◯%に根拠がある
消費者庁の報告書は、根拠の調査に、主な競合との比較、実際の利用者への調査、公平な方法、表示と結果の対応を求めています。2026年3月17日には、印象を問うだけの調査による「口コミ満足度No.1」などの表示に課徴金納付命令が出ました。
- 避けたい例:調査をしていない「地域No.1」「満足度98%」
- 言い換えの例:「2018年開業」など確かめられる事実を書く。アンケートなら時期・対象・回答数を添える
3. 「通常価格」や期限が実態どおりで、税込で書いている
「通常価格」と比べるなら、最近相当期間その価格で販売した実績が要ります(価格表示ガイドライン)。期限付きのキャンペーンを延長し続けた外壁塗装の事業者には、措置命令が出ています(2025年9月22日)。消費者にあらかじめ示す価格は、税込で表示する義務があります(消費税法63条)。
- 避けたい例:「通常9,800円→今だけ4,980円」(9,800円で売った実績がない)
- 言い換えの例:「4,980円(税込)」と販売価格だけを書く。期限を書くなら、その日で終える
4. 体験談で効果を語らせていない
消費者庁の調査(2017年)では、体験談に「個人の感想です」と添えても、「たいていの人に効果がある」という受け取り方はほとんど変わらないとされています。
- 避けたい例:効果の体験談に「※個人の感想です」を付けて載せる
- 言い換えの例:声は接客や雰囲気についての内容にし、「当店が選んで掲載しています」など選び方を書く
5. 口コミの特典やスタッフの投稿がない(ステマ)
Googleマップに星4〜5を投稿することを条件に割引した診療所には、ステマの告示による初の措置命令が出ました(2024年6月6日)。スタッフが客を装った口コミや、依頼した投稿を第三者の感想のように載せることも、広告と明らかにしなければ問題になります。
- 避けたい例:「Googleマップに星5で次回500円引き」
- 言い換えの例:「ご感想をお聞かせください(評価は自由です)」とだけ伝え、特典と切り離す
6. 大事な条件を小さな注記に回していない
条件が小さな文字や離れた場所にしかないと、読む人は気付けません。強調した表示と食い違う注記では、打ち消せないこともあります(打消し表示の報告書、2017年)。
- 避けたい例:「追加料金なし」と大きく書き、ページの下に小さく「出張費は別途」
- 言い換えの例:料金表に「別途かかる費用」の欄を作り、条件は強調した表示のすぐ隣に書く
7. 店舗情報が事実どおり
住所・営業時間・定休日・料金・駐車場・支払い方法を、実際の運用や、Googleビジネスプロフィール・予約サイトの掲載と見比べます。料金や条件が実際と違えば、有利誤認の問題にもなりえます(筆者の解釈)。
- 避けたい例:確かめていない「駐車場完備」「駅から徒歩3分」
- 言い換えの例:「駐車場はありません。近くの有料駐車場をご利用ください」と実態どおりに書く
8. AIが作った実績・口コミ・資格がない
対応件数が表示を大きく下回っていた水回り修繕の事業者に、埼玉県が措置命令を出しています(2025年3月5日)。消費者庁の健康食品の留意事項(2022年12月5日一部改定)も、体験者が存在しない体験談を、虚偽誇大のおそれがある例に挙げています。「電気工事士の資格者が対応」と表示しながら無資格の人が作業していた例には、消費者庁が注意を呼びかけました(2026年2月12日)。
- 避けたい例:入力していない「施術実績10,000件」「◯◯協会認定」、架空のお客様の声
- 言い換えの例:実在の声だけを載せる。資格は「民間資格『◯◯』(発行:◯◯協会)」と証書どおりに書く
9. 写真の権利と使い方に問題がない
他店や他人のサイトの写真は、許諾なく使いません。素材サイト「ぱくたそ」の利用規約(2026年8月27日更新)は、モデル写真を社員紹介や購入者の声などに使う「なりすまし」を禁止しています。AIで作った画像を、実際の店内や料理の写真のように載せるのも避けます。
- 避けたい例:素材のモデル写真に「院長 ◯◯」や「お客様の声」を添える
- 言い換えの例:スタッフ紹介は本人の写真にする。モデル写真は雰囲気の画像に限り「写真はイメージです(モデル)」と書く
10. 個人情報を出しすぎていない
個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、ほかの情報と容易に照合して特定の個人がわかるものも、個人情報に含めています。声のイニシャル・年齢・地域・勤務先を組み合わせると、本人が特定されることがあります(筆者の解釈)。スマホの写真には撮影場所の位置情報が記録されていることがあり、IPAはそのまま公開すると意図しない漏えいにつながると注意しています(2025年7月)。
- 避けたい例:「◯◯町 S.T様(42歳・◯◯病院勤務)」、下書きに残った個人の携帯番号
- 言い換えの例:「40代・医療関係のお仕事の方」程度にし、掲載の同意を書面でもらう。写真の位置情報は消す
11. 外部の読み込みとリンク切れがない
AIが書いたコードは、画像やフォントを外部から読み込んでいることがあります。読み込み先の変更や停止で表示が崩れないよう、できるだけサイトの中に置きます。リンクは全部クリックして、行き先を確かめます。厚生労働省のガイドライン(国家資格の施術所向け)は、費用やリスクをリンク先や極端に小さな文字に置く形を控えるよう求めています。
- 避けたい例:予約ボタンのリンク先が「#」のまま。料金の条件が「詳しくはこちら」の先にしかない
- 言い換えの例:予約ボタンを実際の予約ページにつなぎ、料金と条件はボタンより前に書く
12. スマホで読みやすく表示される
消費者庁の調査(2018年6月7日)は、スマホでは目立つ表示の近くにある目立たない表示に視線が行きにくいと報告しています。パソコンだけでなく、スマホの実機で上から下まで読みます。
- 避けたい例:パソコンでは料金の横にある注記が、スマホでは表の下に離れる
- 言い換えの例:注記を料金と同じ行に入れる。表のはみ出し、文字の大きさ、電話番号のタップも確かめる
公開前のチェックリスト
- 「必ず」「誰でも」「治る」など、効果を言い切る言葉がない
- No.1・満足度◯%は、調査の資料がある場合だけ使っている
- 「通常価格」は販売実績のある価格だけ。期限は守り、価格は税込
- お客様の声は効果に触れず、選び方を書いている
- 口コミの依頼に、星の数・内容の指定・特典を結び付けていない
- 条件や注記を、強調した表示のすぐ隣に読める大きさで書いている
- 住所・営業時間・料金などが、実際やほかの掲載先と一致している
- 実績・受賞歴・資格・お客様の声に、根拠の資料か原文がある
- モデル写真やAI画像を、スタッフ・お客様・実物の写真のように見せていない
- 個人が特定できる組み合わせや、写真の位置情報を載せていない
- 画像とフォントをサイトの中に置き、すべてのリンクを確かめた
- スマホの実機で、料金と注記、ボタン、電話番号を確かめた
業種別の表現ガイド
業種ごとの指針や基準は、次の表現ガイドで整理しています。
- 整体院のホームページで使えない表現と言い換え例:2025年の厚生労働省のガイドライン、症状名の扱い
- 美容室のホームページで避けたい表現と言い換え例:髪質改善・ヘッドスパ・クーポン
- 飲食店のホームページの価格表示:税込・お通し・飲み放題の条件
- 学習塾のホームページで合格実績・成績アップを書くときの表示ルール:実績の範囲・母数・言い換え例
- リフォーム・工務店のLPで避けたい表現と言い換え:実質0円・無料点検・地域最安値
- 行政書士事務所のホームページで気をつけたい業務範囲と広告表現:他士業との分担・報酬の表示
まとめ
- AIの下書きは、言葉ごとに根拠を確かめてから公開する
- 効果の断定・No.1・二重価格・効果の体験談・口コミの特典は、消すか事実に言い換える
- AIが補った店舗情報・実績・資格・写真は事実を確かめ、リンクとスマホでの表示も見る
ミセノマドのLP制作・Webサイト修正では、ガイドラインに沿った表現の自主チェックを行い、気になる表現の理由と言い換え案をお伝えしています。生成AIで作ったページの仕上げもお手伝いしています。ご相談はココナラで受け付けています(サービスの案内)。
注記
- この記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。
- 「筆者の解釈」と書いた部分は、公表資料をもとにした一般的な解釈で、行政の判断ではありません。
- 内容は、2026年10月5日までに確認した資料にもとづいています。ガイドラインや法令は改正されることがあります。
出典
- 消費者庁「優良誤認とは」
- 公正取引委員会・消費者庁「不実証広告規制に関する指針」(2003年10月28日、2016年4月1日一部改正)
- 消費者庁 ステルスマーケティング(規制の案内/Q&A、2024年10月)
- 消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(2024年9月26日)
- 消費者庁「価格表示ガイドライン」(2000年6月30日、改定あり)
- 国税庁「総額表示」の義務付け(令和8年4月1日現在法令等)
- 消費者庁の実態調査報告書(打消し表示、2017年/広告を見る視線、2018年6月7日)
- 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項」(2022年12月5日一部改定)
- 消費者庁 電気工事業者に関する注意喚起(2026年2月12日)
- 消費者庁 景品表示法等の運用状況(令和6年度、2025年5月29日/令和7年度、2026年5月28日)
- 厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン」(2025年2月18日)
- 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」
- 個人情報保護委員会 個人情報保護法ガイドライン(通則編)(2016年11月、2026年6月一部改正)
- 情報処理推進機構(IPA)「知っておきたい用語や仕組み」(2025年7月)
- ぱくたそ「利用規約」(2026年8月27日更新)