飲食店の表現ガイド

飲食店のホームページのアレルギー表示|2026年4月のカシューナッツ追加と書き方

公開 2026年10月5日|ミセノマド

この記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。

飲食店のホームページに載せるアレルギーの情報について、消費者庁の資料をもとに、表示義務の範囲、2026年4月の特定原材料の改正、一覧の書き方を整理します。価格の書き方は飲食店のホームページの価格表示で扱っています。

結論(この記事の要約)

  • 店内で食べる料理には、食品表示基準によるアレルギー表示の義務はありません。ただ、消費者庁は自主的な情報提供を勧めています
  • 表示が義務の「特定原材料」は、2026年4月1日にカシューナッツが加わり9品目になりました
  • 「アレルギー対応」「安心」と言い切らず、同じ厨房や器具で調理していることを書きます
  • 一覧を載せるなら、対象の範囲・更新日・問い合わせ方法をセットで書きます
  • 食べられるかどうかの判断は、お客様にしていただきます。食物アレルギーのある方は、主治医に相談のうえ、お店に直接確認してください

外食に表示義務はあるか

食品表示基準の適用範囲(消費者庁 Q&A)

食品表示基準は、「設備を設けて飲食させる場合」には適用されません。消費者庁の食品表示基準Q&A(総則-4・総則-5)は、これをレストラン・食堂・喫茶店などの外食事業者による提供とし、出前も含むとしています。容器包装の有無は関係ありません(例外は生食用牛肉の注意喚起表示)。

Q&Aのアレルゲンの別添(I-7)も、外食等でのアレルゲン情報の提供は義務ではないとしています。

ただし、次の点に注意します。

  • テイクアウトの弁当や物販の焼き菓子など、容器包装に入れて売るものには、食品表示基準がかかることがあります。商品ごとに保健所などで確認します(筆者の解釈)
  • 食品表示基準がかからない店内のメニューやサイトの表示にも、景品表示法は適用されます(消費者庁 メニュー表示の考え方、2014年3月28日)

外食での情報提供の推進(消費者庁、2026年7月パンフレット更新)

Q&A(I-7)によると、2014年に消費者庁長官の下の検討会が、外食の業態の特性から表示の義務化は慎重に考える必要があるとし、まずは規模や業態に応じた自主的な情報提供を進めると整理しました。2021年度には、国のアレルギー疾患対策の基本指針に、外食・中食での情報提供の取組を推進する旨が加わりました。

消費者庁は2026年7月、外食・中食事業者向けと消費者向けのパンフレットを更新しました。事業者向けパンフレットの「気をつけなくてはいけないこと」の要点は次のとおりです。

  • 最新で正確な情報を提供する。正確に提供できる範囲(「定番メニューだけ」「卵・乳・小麦だけ」など)を明示して始めるのも一つの方法
  • あいまいな回答をしない。わからないときは「わからない」と答える
  • 意図しない混入(コンタミネーション)の可能性を伝え、重症の方には慎重な判断を促す
  • 「食べられる/食べられない」の判断は、お客様にしていただく
  • 問い合わせには、正しい知識を持った店員が対応する

消費者向けパンフレットも、お店の情報が常に正しく最新である保証はないこと、お店によって対象の範囲が違うことを伝えています。外食の利用は医師の指導に従うことが大切だ、ともしています。

特定原材料の改正(2023年3月9日 くるみ、2026年4月1日 カシューナッツ)

容器包装に入れられた加工食品には、特定原材料を含む旨の表示が義務付けられています。消費者庁は、おおむね3年ごとの全国実態調査の症例数や重篤度をもとに、品目を見直しています。

日付内容経過措置
2023年3月9日くるみを特定原材料(義務)に追加2025年3月31日まで(終了)
2024年3月28日特定原材料に準ずるもの(推奨)にマカダミアナッツを追加し、まつたけを削除―
2026年4月1日カシューナッツを特定原材料に追加2028年3月31日まで
2026年4月1日特定原材料に準ずるものにピスタチオを追加通知で、できるだけ早い表示を求めている

2026年10月時点の品目は、次のとおりです(消費者庁「アレルギー表示について」令和8年4月時点)。

  • 特定原材料(表示義務・9品目):えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)
  • 特定原材料に準ずるもの(表示推奨・20品目):アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

ホームページで気をつけたい点は、次のとおりです。

  • 「7品目」「8品目」と書いた説明や一覧は、品目数と品目名を直します
  • カシューナッツの経過措置は2028年3月31日までです。それまでは、仕入れた加工食品の表示にカシューナッツが書かれていない場合もありえます。一覧を作るときは、規格書や仕入れ先にも確認します(筆者の解釈)
  • 準ずるものは表示の義務がありません。パンフレットも、表示がないことは含まれていないことを意味しない、としています

NG例と言い換え例

避けたい表現(例)理由言い換えの例
「アレルギー対応メニュー」「アレルギーの方も安心」(同じ厨房で調理)パンフレットは、混入を完全に防ぐのは難しく、その可能性を伝えるよう求めています。安全と言い切ると、実際より良く見せる表示と受け取られるおそれもあります(筆者の解釈)「卵・乳・小麦を使わずに作るメニューです。同じ厨房で、これらを使う料理も調理しています」
「特定原材料8品目不使用」「7大アレルゲン不使用」2026年4月1日から、特定原材料は9品目です品目名を並べ、「特定原材料9品目(2026年10月時点)」と基準日を書く。同じ厨房で扱う場合はその旨も
「ご要望に応じてアレルゲンを除去します」作り直さずに卵を取り除いただけの料理で、誤食が起きた事例がパンフレットに載っています「食材を抜いたり、代わりの料理を用意したりできる場合があります。ご予約の際にご相談ください」
「えびが入っているかもしれません」とだけ書く加工食品では、単なる可能性表示は認められていません(Q&A H-1)。外食でも、何を共用しているかを書くほうが判断しやすくなります(筆者の解釈)「天ぷらは、えびと同じ油で揚げています」
「お気軽にスタッフへ」だけで、答える人が決まっていないパンフレットは、正しい知識を持った店員が対応し、わからないときは「わからない」と答えるよう求めています「アレルギーのご相談は店主がお受けします。すぐにお答えできないときは、確認してからご連絡します」
「当店の料理なら食べられます」「食べられる/食べられない」の判断は、お客様にしていただくものとされています「使っている食材をお伝えします。召し上がるかどうかは、ご自身でご判断ください」

一覧を載せるときの書き方(更新日・同じ厨房での調理・問い合わせ方法)

一覧は義務ではなく、予約時や注文時の相談で対応する形もあります。載せる場合は、次の4点をそろえます(パンフレットとQ&Aを参考にした筆者の解釈)。

対象の範囲

「特定原材料9品目」「準ずるものを含む29品目」「卵・乳・小麦だけ」など、何を対象にした一覧かを表の上に書きます。加工食品向けのQ&A(E-23)も、対象が9品目か29品目かを明確にするよう努めるとし、いつ時点の基準による表示かを書くこともできるとしています。一部のメニューだけなら、「定番メニューのみ。日替わり・季節の料理は対象外」と書きます。

基準日と更新日

「最終更新:2026年10月1日」のように、表の上に書きます。仕入れ先・原材料・レシピを変えた日に直し、グルメサイトなどの情報も同じ日にそろえます。消費者向けパンフレットも、情報が古くなっていることがあるとして、更新日などで確かめるよう呼びかけています。

同じ厨房・器具・揚げ油

パンフレットは、同じ調理器具や揚げ油の共有、厨房で粉が舞うことなどで、混入の可能性があるとしています。表の下や料理名の近くに、本文と同じ大きさで書きます。

問い合わせ方法と答える人

予約時か注文時か、電話か予約フォームか、誰が答えるかを書きます。パンフレットには、中食事業者が規格書でアレルゲンを把握し、店頭のQRコードから見られるホームページで確認できるようにしている例が載っています。

記入例(架空のメニュー)

料理名使っている特定原材料同じ油・器具で扱うもの
鶏の唐揚げ小麦・卵えび(同じ油で揚げています)
だし巻き卵卵・小麦(しょうゆ)―
ポテトサラダ卵―

表の上に「対象:特定原材料9品目/最終更新:2026年10月1日」と書きます。中身は、お店の規格書や仕入れ先の資料で確かめたものだけにします。

公開前のチェックリスト

  • 「アレルギー対応」「安心」「除去できます」と言い切っていない
  • 品目数を書くなら「9品目」で、品目名も並べている
  • 一覧の対象の範囲(9品目・29品目・一部のメニューなど)を書いている
  • 基準日と最終更新日を書き、原材料を変えた日に直している
  • 同じ厨房・器具・揚げ油で扱っていることを書いている
  • 予約時・注文時の伝え方と、答える人を決めている
  • 食べられるかどうかはお客様が判断すること、主治医への相談の案内を書いている
  • グルメサイト・予約サイト・SNSの記載もそろえている
  • テイクアウト・物販の商品は、食品表示基準のルールを別に確かめた

サンプルLPの紹介(架空店舗のデザインサンプル)

「酒と肴 こなぎ」は、ミセノマドが作った架空の和食居酒屋のLPです。アレルギーは一覧を載せず、予約時・注文時に申し出ていただく形にしました。

  • お品書きの注記に、注文の前にスタッフへ伝えてほしいことと、同じ厨房でえび・かに・小麦・卵・乳などを含む料理を調理していることを、本文と同じ大きさで書きました
  • 宴会の案内とよくある質問に、代わりの料理を用意できる場合があることと、混入の可能性を完全にはなくせないことを書きました
  • 「アレルギー対応」「安心」や、品目数の表示は使っていません

酒と肴 こなぎ(デザインサンプル)を見る

※架空店舗のデザインサンプルです。実在の店舗・人物とは関係ありません。写真はイメージです。

まとめ

  • 店内の料理に表示義務はないが、消費者庁は情報提供を勧めている
  • 特定原材料は2026年4月1日から9品目。古い品目数を直す
  • 「安心」と言い切らず、同じ厨房での調理と問い合わせ方法を書く
  • 一覧は、対象の範囲と更新日をセットで載せる

生成AIで下書きした文章の見直しは、AIで作ったLP・ホームページを公開前に見直す12項目にまとめています。

ミセノマドのLP制作では、ガイドラインに沿った表現の自主チェックを行い、気になる表現の理由と言い換え案をお伝えしています。料理に含まれるアレルゲンの確認は、お店で行っていただく必要があります。ご相談はココナラで受け付けています(サービスの案内)。

注記

  • この記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。
  • 「筆者の解釈」と書いた部分は、公表資料をもとにした一般的な解釈で、行政の判断ではありません。
  • この記事は医療の情報ではありません。食物アレルギーのある方は、外食について主治医にご相談のうえ、お店に直接ご確認ください。
  • アレルギー表示の質問は、最寄りの保健所や消費者庁食品表示課が受け付けています(Q&A I-8)。
  • 内容は、2026年10月5日までに確認した資料にもとづいています。特定原材料は見直されることがあるため、最新の品目は消費者庁のページでご確認ください。

出典

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