整体院の表現ガイド

整体院のホームページで使えない表現と言い換え例|2025年の厚労省指針に沿って

公開 2026年10月5日|ミセノマド

この記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。

整体院のホームページやLP(集客用の1ページのサイト)を自分で作るとき、「どこまで書いてよいのか」で迷う方は多いと思います。この記事では、2025年2月に厚生労働省が出した広告のガイドラインと景品表示法をもとに、避けたい表現と言い換え例、公開前のチェックリストを整理します。

対象は、国家資格(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師)を持たない方が行う「整体」の施術所です。国家資格者が在籍する施術所は、法律で広告できる事項が限られ、この記事より厳しい基準になります。

結論(この記事の要約)

  • 厚生労働省は2025年2月18日に「あはき・柔整広告ガイドライン」を策定し、Ⅶ章で国家資格のない人の施術の広告について考え方を示しました
  • 「腰痛」「膝の痛み」などの痛みの症状や、慢性の「肩こり・疲労」などへの施術の表現は、広告やウェブサイトに表現すべきでないとされています
  • 「治る」「根本改善」「No.1」、効果の体験談、施術前後の比較写真は避けるのが無難です
  • 代わりに、施術の内容・流れ・時間・料金・起こりうる不調を具体的に書きます
  • 景品表示法は整体院にもそのまま適用されます。効果をうたうなら、それを裏付ける合理的な根拠が必要です

何が問題になるのか(根拠と公表日)

あはき・柔整広告ガイドラインⅦ章(厚生労働省、2025年2月18日)

国家資格の施術は、法律で広告できる事項が決められています。2025年2月18日に厚生労働省が策定したガイドライン(同日、医政発0218第1号で通知)は、その解釈を示すとともに、Ⅶ章で無資格者の行為に関する広告についても「掲載すべきでない事項」を示しました。

  • 痛みの症状や慢性の肩こり・疲労などへの施術の表現は、広告やウェブサイト等に表現すべきでない。特定の疾患や、疾患の原因となりうる症状への施術にあたる可能性が高いため
  • 国家資格の業を行っていると誤認させる表示(写真や画像を含む)は不適切
  • 科学的根拠に乏しい情報で不安をあおる表現や、費用の安さの過度な強調も掲載すべきでない
  • 背景には、無資格の施術による事故の情報や、国民生活センターの指摘(2012年8月2日。適応症の広告や「マッサージ」の語の使い方)があります

Ⅶ章は、関係団体などによる自主的な取組を促すものとして書かれています。法律の条文ではないため、拘束力の程度は限られると考えられます(筆者の解釈)。一方で、行政の指導や消費生活相談の場面で参照されることは十分ありえます。整体院のホームページでは、まずこのⅦ章を基準にするのが現実的です。

景品表示法(消費者庁)

整体院のサービスも、景品表示法の対象です。

  • 優良誤認表示:サービスの内容を、実際より著しく良いものと見せる表示
  • 有利誤認表示:料金などの条件を、実際より著しく有利に見せる表示
  • 不実証広告規制:効果をうたう表示について、消費者庁は合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。期限内に出せなければ、優良誤認とみなされます(不実証広告規制に関する指針、2003年10月28日、2016年4月1日一部改正)

No.1表示については、消費者庁が2024年9月26日に実態調査報告書を公表し、根拠となる調査に必要な条件を整理しました。2026年3月17日には、印象を問うだけの調査にもとづく「口コミ満足度No.1」などの表示に課徴金納付命令が出ています(整体院とは別の業種の事例)。

令和6・7年度の運用状況の事件一覧に、整体院を名宛人とする国の措置命令は、筆者が確認した範囲では見当たりませんでした。ただ、口コミと引き換えの割引や価格の強調といった型は、医療機関やサロンなどの処分例と共通しています。

「ホームページは対象外」は古い説明

以前は「ホームページは広告規制の対象外」と説明されることがありました。2025年のガイドラインは、ウェブサイトでの表現についても考え方を示しています(Ⅵ章・Ⅶ章)。解説記事は、公開日が2025年2月より後かを確認してください。

NG例と言い換え例

避けたい表現(例)理由言い換えの例
「治る」「完治」「根本改善」「◯◯を解決します」ガイドラインは「治ります」「根本治療」などを、虚偽または客観的事実と証明できない表現の例に挙げています「姿勢やからだの動きを確認し、手技でからだを整える施術を行います」
「腰痛」「肩こり」「頭痛」など症状名を並べる、「腰痛専門」「◯◯に効く」Ⅶ章が、症状への施術の表現をウェブサイト等に表現すべきでないとしています。「専門」は医療の専門外来と誤認されやすいと考えられます(筆者の解釈)「長時間のデスクワークで同じ姿勢が続く方に」「デスクワークの方のご来院が多い整体院です」
「改善率95%」「満足度98%」「たった1回で実感」ガイドラインは、体験談・効果・最上級の表現として、虚偽広告として扱うべき例に挙げています「1回の施術は約40分」「初回はお話を含めて約70分」など事実を書く
「地域No.1」「口コミ1位」「◯◯にも掲載」「芸能人も通う」比較して優れていると見せる表現は、事実であっても掲載すべきでないとされています「2018年開院」「施術者の経歴」など、確かめられる事実を書く
「マッサージ」「整骨」「治療院」「クリニック」国家資格の業や医療と誤認させるおそれがあります「整体」「ボディケア」「施術」
「国家資格」「厚生労働省認可◯◯術」国家資格の業と誤認させる表示、虚偽の表示の例です民間資格は「民間資格『◯◯』(発行:◯◯協会)」と正確に書く
「保険が使えます」国家資格のない整体は、健康保険(療養費)の対象外と考えられます(筆者の解釈)「全額自費です(健康保険は使えません)」
「絶対安全」「痛くない」「驚きの効果」ガイドラインが掲載すべきでない例として挙げている表現です「力加減はご希望を伺いながら調整します」「施術後、一時的にだるさが出ることがあります」
「放っておくと大変なことに」「残り1枠」(実態と違う)不安をあおる表現です。枠数が事実と違えば、有利誤認のおそれもあります「ご都合のよい日時をお選びください」(空き状況は予約システムの実際の表示に合わせる)
「初回980円!今だけ」「通常8,800円→2,980円」を大きく費用の安さの過度な強調です。「通常価格」と比べるなら、その価格で販売していた実績が要ります初回・2回目以降・回数券を同じ大きさで並べる
効果の体験談、施術前後の比較写真感想を都合よく選ぶ・謝礼で誘導するのは掲載すべきでないとされ、条件を変えた前後写真は誇大、加工は虚偽として扱うべきとされています声は説明のわかりやすさや雰囲気などに限り、選び方を書く。前後写真は載せない
「Googleマップに星5で次回500円引き」星の数を条件にした特典はステルスマーケティングにあたり、診療所への措置命令の例があります(2024年6月6日)「ご感想をお聞かせください(評価は自由です)」とだけ伝え、特典と切り離す
「自律神経を整える」「免疫力アップ」「デトックス」科学的根拠に乏しい情報や、証明できない内容にあたります「姿勢を確認し、からだの使い方をアドバイスします」

「改善」「緩和」への置き換えについて

「治る」を「改善」「緩和」に置き換えるよう勧める解説もあります。しかし、症状名と組み合わせれば、症状への施術の表現であることは変わらないと考えられます(筆者の解釈)。症状ではなく、施術の内容と生活の場面で書くほうが安全です。

「個人の感想です」の注記について

消費者庁の調査(2017年)では、体験談に「個人の感想です」と添えても、「たいていの人に効果がある」という受け取り方はほとんど変わらないと整理されています。注記ではなく、声の内容を見直してください。

LP構成のチェックリスト

ファーストビュー・導入

  • キャッチコピーに症状名や「治る」「改善」「No.1」を入れていない
  • 「こんな方へ」の欄は、症状ではなく生活の場面や目的で書いている

施術の説明

  • 施術の内容・手順・時間を具体的に書いている
  • 「整体でできること・できないこと」を書き、医療ではないこと、健康保険が使えないことを明記している
  • 痛みやしびれがある方、けがの直後の方に、まず医療機関の受診をすすめる一文がある
  • 「マッサージ」「治療」「診療」の語や、医療機関のような名称を使っていない

料金

  • 初回・2回目以降・回数券(枚数・有効期限・返金の条件)を同じ大きさで書いている
  • 価格は税込で表示している
  • 「通常価格」と比べる場合は、その価格で販売していた実績がある
  • 料金や起こりうる不調の説明を、予約ボタンより前に置いている

施術者・お客様の声・写真

  • 民間資格には発行団体の名前を付け、国家資格と紛らわしくしていない
  • お客様の声は効果に触れず、選び方(無作為か、院が選んだか)と謝礼の有無を書いている
  • 施術前後の比較写真を載せていない
  • 素材サイトのモデル写真を「スタッフ」「お客様」として使っていない

予約・口コミ

  • 「残り◯枠」「◯日まで」は、実際の状況どおりになっている
  • 口コミのお願いに、星の数や内容の指定、特典を結び付けていない

生成AIで下書きした原稿には、よく見かける言い回し(症状名の列挙や「改善率」など)がそのまま出てくることがあります。上の項目を一つずつ確認してください。

サンプルLPの紹介(架空店舗のデザインサンプル)

「しろつめ整体院」は、ミセノマドが作った架空の整体院のLPです。上のチェックリストに沿って構成しました。

  • 「こんな毎日を、過ごしていませんか」の欄は、症状名ではなく「パソコンの前で同じ姿勢のまま過ごしている」などの生活の場面で書きました
  • 「整体でできること・できないこと」の欄で、医療行為を行わないこと、健康保険が使えないことを明記しました
  • 痛みやしびれがある方には、まず医療機関の受診をすすめる案内を置きました
  • 料金は税込・全額自費で示し、施術後に一時的にだるさが出ることがある旨も書きました
  • お客様の声は写真を使わずアイコンで表示し、サンプルのため架空であることを明記しました

しろつめ整体院(デザインサンプル)を見る

※架空店舗のデザインサンプルです。実在の店舗・人物とは関係ありません。写真はイメージです。

まとめ

  • 症状名、効果の断定、No.1、施術前後の比較写真は使わない
  • 施術の内容・流れ・料金・起こりうる不調と、医療機関の受診をすすめる場面を具体的に書く
  • 「通常価格」「残り◯枠」「口コミの特典」は、実態と根拠を確かめてから使う
  • 解説記事より、2025年2月のガイドラインの本文を優先して確認する

ミセノマドのLP制作では、ガイドラインに沿った表現の自主チェックを行い、気になる表現の理由と言い換え案をお伝えしています。ご相談はココナラで受け付けています(サービスの案内)。

注記

  • この記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。
  • 「筆者の解釈」と書いた部分は、公表資料をもとにした一般的な解釈で、行政の判断ではありません。
  • 内容は、2026年10月1日に確認した資料にもとづいています。ガイドラインや法令は改正されることがあります。
  • 国家資格者が在籍する施術所は、あはき法(あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)・柔道整復師法の広告の制限の対象です。所管の保健所などにご確認ください。

出典

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