整体院の表現ガイド
整体院LPの構成テンプレート|ガイドラインに沿った14セクションの並べ方
この記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。
整体院のLP(集客用の1ページのサイト)を作るとき、どの順番で何を書くかで迷う方は多いと思います。この記事では、国家資格を持たない方が行う「整体」の施術所を対象に、14のセクションの並べ方を整理します。
避けたい言葉と言い換え例は、整体院のホームページで使えない表現と言い換え例にまとめています。
結論(この記事の要約)
- 14のセクションに分けると、書く順番と抜けを確かめやすくなります
- 見出しや「こんな方へ」の欄には症状名を使わず、生活の場面や施術の進め方で書きます
- よく見かける「不調が長引く理由」の欄は、「整体でできること・できないこと」に置き換えます
- 料金・回数券の条件・施術後に起こりうること・受診の案内は、予約ボタンより前に本文と同じ大きさで書きます
- 医療や国家資格の施術に見える写真と、施術前後の比較写真は使いません
整体院LPの14セクション
基準にするのは、厚生労働省が2025年2月18日に策定した「あはき・柔整広告ガイドライン」です。Ⅶ章は、国家資格のない人の施術について、「腰痛」などの痛みの症状や慢性の「肩こり・疲労」などへの施術の表現を、広告やウェブサイト等に表現すべきでないとしています。
筆者が2026年10月に調べた個人経営の整体院のサイト8件では、「悩み → 原因 → 選ばれる理由 → お客様の声 → 院長 → 流れ → 料金 → アクセス」の順が多く見られました。8件のうち7件は、ファーストビューのキャッチコピーに症状名が入っていました。下の表は、この並び方をガイドラインに合わせて組み替えたものです。
| 順 | セクション | 役割 | 書くこと | 書かないこと |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ファーストビュー | どんな院かを伝える | 地域、進め方、初回の時間と料金(税込)、予約の入口 | 症状名、「◯◯専門」、No.1、大きな割引 |
| 2 | 院の基本情報 | 事実で安心してもらう | 開院年、予約制・個室、駐車場 | 改善率、満足度、メディア掲載 |
| 3 | こんな方へ | 自分のことだと感じてもらう | 生活の場面や目的 | 症状名の列挙、不安をあおる言葉 |
| 4 | 整体でできること・できないこと | 医療との違いを伝える | 医療ではないこと、保険が使えないこと、受診をすすめる場面 | 「治療」「診断」、原因の断定 |
| 5 | 施術の考え方 | 何をするかを伝える | 手順と時間 | 効果の約束 |
| 6 | 特長 | 違いを示す | 方針、設備、営業時間 | 最上級の表現、他院との比較 |
| 7 | お客様の声 | 雰囲気を伝える | 説明・雰囲気・通いやすさの感想、選び方 | 効果の体験談、モデル写真 |
| 8 | 施術者の紹介 | 誰が施術するかを伝える | 経歴、発行団体を添えた民間資格 | 国家資格と紛らわしい書き方 |
| 9 | 院内のご案内 | 部屋と着替えを見せる | 受付・施術室・更衣スペース | 医療機関に見える設備 |
| 10 | はじめての方へ | 当日の不安を減らす | 所要時間・服装・持ち物、起こりうること | 「痛くない」「安全」の言い切り |
| 11 | 料金 | 総額と条件を示す | 初回・2回目以降・回数券、税込、有効期限、返金、キャンセル | 「通常◯円→」、実態のない期限 |
| 12 | よくある質問 | 予約前の疑問に答える | 力加減、服装、通う間隔、保険、支払い | 「◯回で良くなる」 |
| 13 | アクセス・営業時間 | 迷わず来られるようにする | 道順、駐車場の有無、曜日別の営業時間と最終受付 | 確かめていない「駅近」 |
| 14 | ご予約・フッター | 予約の入口をまとめる | 窓口ごとの受付条件 | 実態と違う「残り◯枠」 |
スマホで画面の下に予約ボタンを固定する場合は、電話の受付時間をボタンのすぐ近くに書きます。
セクションごとの書き方
ファーストビュー・院の基本情報
「◯◯市の腰痛専門整体」のような見出しは、症状への施術の表現にあたり、Ⅶ章の考え方に合わないと考えられます(筆者の解釈)。地域名は残し、症状名の代わりに院の特徴や進め方を置きます。
- 例:「◯◯駅から徒歩4分。完全予約制・個室の整体院です」
- 例:「話して、確かめて、ゆっくり整える。」
Ⅶ章は、費用の安さの過度な強調や、他と比べて優れていると示す表現も、掲載すべきでない事項に挙げています。初回の料金は時間と内容と一緒に書き、基本情報の欄には確かめられる事実だけを並べます。
こんな方へ
症状名のチェックリストの代わりに、生活の場面や目的で書きます。
- 一日の大半を、パソコンの前で同じ姿勢のまま過ごしている
- 小さなお子さんの抱っこが、毎日の日課になっている
- 自分の姿勢やからだのくせを、一度知っておきたい
リストのあとに「整体で解消します」と続けると、効果をうたう形に戻ります。けがの直後の方や、痛み・しびれがある方には、まず医療機関の受診をすすめる一文を置きます。
整体でできること・できないこと
実在のLPに多い「不調が長引く理由」の欄は、医学的な断定や症状への言及になりやすいため、この欄に置き換えます(筆者の解釈)。
- 行うこと:お話を伺う、姿勢や動きを一緒に確認する、手技で施術する、ストレッチをお伝えする
- 行わないこと:病気やけがの診断、医療行為、薬の案内。健康保険は使えない(全額自費)
Ⅶ章は、国家資格が必要な業を行っていると誤認させる表示を不適切としています。その違いを、予約の前に伝える欄です。
施術の考え方・特長
施術は効果ではなく、「何を、どの順で、何分かけて行うか」で書きます。たとえば「伺う(約15分)→確かめる(約10分)→整える(約40分)」です。特長は「力加減を伺いながら進めます」「施術室は1室だけの個室です」のように、方針と事実で書きます。
お客様の声
声は、説明のわかりやすさ・雰囲気・通いやすさの感想にします。ガイドラインのⅥ章(国家資格の施術所のウェブサイト向け)は、都合のよい感想だけを選んで強調することや、謝礼で好意的な感想を誘導することを、掲載すべきでないとしています。ガイドラインは、ふさわしくない広告について無資格者の広告も同様の考え方で扱うべきとしており、整体院も同じ基準で見ておくのが無難です(筆者の解釈)。
- 属性は「40代・会社員」程度にし、症状名を見出しにしない
- 選び方(無作為か、院が選んだか)と謝礼の有無を書く
- 顔写真の代わりにアイコンを使う
「個人の感想です」の注記だけでは足りない理由は、前の記事で説明しています。
施術者の紹介
経歴は、勤務年数や研修時間など、確かめられる事実で書きます。民間資格は「民間資格『◯◯』(発行:◯◯協会)」と発行団体を添えます。
院内のご案内
受付・待合、施術室、更衣スペースを写真で見せ、「どんな部屋で、何に着替えるのか」を伝えます。
はじめての方へ(当日の流れ)
所要時間・服装・持ち物を先に書き、受付から会計までを順に並べます。「施術のあと、一時的にだるさが出ることがあります」など、起こりうることもここに書きます。
ガイドラインのⅥ章は、自費の施術を行う施術所がウェブサイトに載せるべき事項として、問い合わせ先、施術の内容と費用、回数券の内容、主なリスクや副作用、施術の期間・回数の目安などを挙げています。国家資格の施術所向けですが、整体院でも同じ情報を載せるのが望ましいと考えられます(筆者の解釈)。
料金
初回・2回目以降・回数券を1つの表に、同じ文字の大きさで並べます。
- 価格は税込で書く(消費税法63条の総額表示の義務)
- 回数券は、回数・有効期限・返金の方法を書く
- キャンセル料の条件と支払い方法を書く
- 「通常◯円→初回◯円」は使わない。比べるなら、その価格で販売していた実績が要ります(価格表示ガイドライン)
Ⅵ章は、こうした情報をリンク先に置く形や、極端に小さな文字にする形を控えるよう求めています。料金と条件は、予約ボタンより前に置きます。
よくある質問
力の強さ、服装、通う間隔、健康保険、通院中・妊娠中の方、支払い方法、キャンセルなどが目安です。「何回で良くなりますか」には回数を約束せず、「決まった回数はありません。ご希望を伺いながら一緒に考えます」のように答えます。
アクセス・ご予約
道順、駐車場の有無(ない場合も)、曜日別の営業時間と最終受付を書きます。予約欄には、WEB・電話・LINEの窓口ごとに、受付時間や当日予約の可否を添えます。「残り◯枠」は、実際の空きと合わない限り書きません。
写真の選び方
Ⅶ章は、国家資格の業を行っていると誤認させる表示は、写真や画像を使った場合も同じく不適切だとしています。
写さないもの
| 写さないもの | 理由(筆者の解釈) |
|---|---|
| 鍼・灸・カッピング | 鍼灸院と誤認されるおそれがある |
| テーピング・包帯・サポーター・松葉杖 | 接骨院・整骨院(けがの施術)と誤認されるおそれがある |
| 骨格模型・人体模型・解剖図 | 医療やカイロプラクティックの施設に見えやすい |
| 電気治療器・牽引機 | 整骨院の施術を思わせる |
| 長い白衣・聴診器・レントゲン写真 | 医療機関と誤認されるおそれがある |
| 保険証・「各種保険取扱」の表示 | 健康保険が使えると誤認されるおそれがある |
| 首を強くひねる・体重をかけて押す場面 | 強い手技を思わせる |
施術の写真は、手のひらをそっと当てる、向かい合って話を聞くなど、穏やかな場面を選びます。
前後写真を使わない理由
ガイドラインのⅥ章は、撮影条件や被写体の状態を変えて撮った施術前後の写真で効果を強調することを誇大とし、加工・修正した前後写真は虚偽として扱うべきとしています。姿勢や骨盤の比較写真も、効果をうたう表示になると考えられます(筆者の解釈)。前後写真は載せず、施術の手順と時間を文章で書きます。
モデル写真の扱い
- 施術者の紹介と施術の場面は、院長本人の写真にする
- お客様の声には、モデル写真を使わない
- 素材のモデル写真は雰囲気を伝える画像に限り、「写真はモデル(イメージ)です」と添える
素材サイト「ぱくたそ」の利用規約(2026年8月27日更新)は、社員紹介や購入者の声などの「なりすまし」の使い方を禁止しています。サンプルやデモで使えるのも、名前を変えたことの明記か注釈がある場合に限られます。
サンプルLPの紹介(架空店舗のデザインサンプル)
「しろつめ整体院」は、ミセノマドが作った架空の整体院のLPです。この記事の14セクションの順で組みました。
- ファーストビューは「話して、確かめて、ゆっくり整える。」とし、症状名を使っていません
- 「不調が長引く理由」の代わりに「整体でできること・できないこと」を置きました
- お客様の声は、アイコンと「30代・女性・会社員」のような属性だけにし、架空の声であると注記しました
- 院長の写真のすぐ下に、スタッフ名が架空で、写真がモデル(イメージ)である旨を書きました。院内・外観・地図はイラストです
※架空店舗のデザインサンプルです。実在の店舗・人物とは関係ありません。写真はイメージです。
まとめ
- 「不調が長引く理由」の欄は、「整体でできること・できないこと」に置き換える
- 見出し・こんな方へ・お客様の声に症状名を使わない
- 料金・回数券・起こりうること・受診の案内は、予約ボタンより前に同じ大きさで書く
- 医療や国家資格の施術に見える写真、前後写真、スタッフやお客様に見せるモデル写真は使わない
生成AIで原稿を下書きした場合は、AIで作ったLP・ホームページを公開前に見直す12項目もあわせてご覧ください。
ミセノマドのLP制作では、ガイドラインに沿った表現の自主チェックを行い、気になる表現の理由と言い換え案をお伝えしています。ご相談はココナラで受け付けています(サービスの案内)。
注記
- この記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。
- 「筆者の解釈」と書いた部分は、公表資料をもとにした一般的な解釈で、行政の判断ではありません。
- 内容は、2026年10月5日までに確認した資料にもとづいています。ガイドラインや法令は改正されることがあります。
- 実在のサイトの傾向は、筆者が2026年10月1日に見た整体院8件の結果で、業界全体を示すものではありません。
- 国家資格者が在籍する施術所は、あはき法・柔道整復師法の広告の制限の対象で、この記事の構成はそのまま使えません。所管の保健所などにご確認ください。
出典
- 厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン」(2025年2月18日)
- 消費者庁「価格表示ガイドライン」(2000年6月30日、改定あり)
- 国税庁「総額表示」の義務付け(令和8年4月1日現在法令等)
- ぱくたそ「利用規約」(2026年8月27日更新)